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ユーザ事例


Nikka界面活性剤技術をコアに持つ日華化学株式会社(以下、日華化学)。
繊維・金属・紙パルプなどの化学分野からコスメに至るまで様々な分野で活用される技術として、幅広い市場に製品を供給している同社に、グローバルに展開する事業を支えているセキュリティ対策について、お話を伺った。


【お話をお伺いした方】
日華化学株式会社
取締役 執行役員 情報戦略本部長 高橋 誠治 氏(左)
情報戦略本部 情報戦略部 次長 川上 稔広 氏(右)

グローバル展開を支える共通システム構築へ

Nikka日華化学の製造する界面活性剤は、古くから繊維の薬剤として活用されており、日本の繊維産業の海外進出に連動して、比較的早い時点(1968年)からグローバル展開を開始。現在では、アジアを中心に8カ国に子会社を抱えている。

これらのビジネスを支える情報システムは、当初海外展開が合弁によるものであったことも影響し、国内、海外それぞれ別のシステムで構築されていた。その後、1990年代には、主に連結決算の合理化をすすめるために会計システムを中心に共通化されていったが、それ以外の情報系システムは、依然としてバラバラのままだった。

システムの共通化に本格的に乗り出したのは、2011年になってからだ。きっかけは、各拠点の法人単位の収支だけでなく、全法人を横軸に刺した事業単位の利益貢献度を推し量るためのニーズに応えるためだった。この作業は2013に本格的に開始され、2017年にほぼ完了。その後、利便性を高める様々な施策を今も継続的に行っている。

システム共通化により求められたセキュリティ対策

2013年のシステム共通化を機に、同社はセキュリティ対策への取り組みも始めた。基幹システムのグローバル化により単一システムを様々な拠点から利用するようになったため、全拠点におけるセキュリティレベルを均等に保ち、さらに向上していく必要があったからだ。

同社ではまず、セキュリティに関する規定を作成し、同時に情報共有、検討を行うための「情報セキュリティ責任者会議」が設置され、各部門の代表が参加した。

「業務を止めない」基本ポリシーがセキュリティ対策の工夫を生む

「日華化学のセキュリティ対策は、「攻め」(事業推進)を阻害しない「守り」(セキュリティ)を実現することです。そのために、様々な工夫を行っています。」と高橋氏は力強く語る。常にトライ&エラーを繰り返しているそうだ。

例えば、社員が持ち歩く携帯電話。会社所有の携帯を社員に配布すれば、セキュリティ基準はある程度確保できる。しかしそれでは、社員が個人の携帯もあわせ、常に2台持ち歩かなければならず、利便性が損なわれてしまう。日華化学は、現在、この課題を解決する方法として、会社支給の携帯を提供すると共に、BYOD(個人所有の携帯を業務に利用する方式)の利用も許可をしている。ただしセキュリティを維持するために、BYODでは、顧客との連絡やビジネスに支障をきたさない範囲でアクセスする情報を制限しており、いずれの携帯を利用するかは、社員の判断に任せられている。

「IP電話の導入も行いましたが、当社の顧客には美容院などの個人経営の企業も含まれるため、ショートメッセージが送れないと大クレームが起こりました。」と笑いながら話す高橋氏。セキュリティ強化は、時として社員の利便性を奪うことを、「しかたがない」の一言で済ませてしまうケースもあるが、日華化学では、常に現場中心のものの考え方をしている。

Nikka

グローバル展開の企業では、メール訓練は必須

同社は海外の展示会にも数多く参加し、名刺交換をしているという。しかし、そのやりとりの数が増えるほど、怪しいメールの数が増えてきたという。(高橋氏)

これに対する対策として採用されたのが、BBSecの標的型攻撃メール訓練だ。同社では複数回の訓練を行っているが、第一回目の訓練では、実態を正確に把握するために、社長と専務を除き、誰にも告知せずに実施したという。訓練の結果であるメールの開封率は平均的なものであったが、その反響は、「もっとやってほしい」など良い意味で大きかったという。

また訓練に対する社員の学習率も高く、第二回目では問い合わせ件数が増え、今後も継続的に実施していく予定だという。

セキュリティの情報共有は、経営者自らの手で

システムのグローバル化とセキュリティの基本施策が一段落した現在、「情報セキュリティ責任者会議」は、非定期実施へと変化した。しかし、今は、それを超える情報共有の場があるという。それが、毎週始めの早朝に開催される「月曜会」と呼ばれる経営者会議だ。社長および事業部長が参加するこの会議で、情報戦略本部担当取締役自らが、セキュリティに関するリアルタイム情報の報告を行い、経営層でセキュリティへの共通認識を強めている。会議には、ITとは無縁の業務を担当する事業部長もいるが、経営者向け教育を行うことで、すべての経営者が内容を把握できているという。

BBSecはセキュリティ対策の良きパートナー

同社では、前述のようにそれぞれに異なるシステムを持つ多くの海外拠点をもっていることから、2013年のシステム共通化改編当初から、環境の異なる各法人を束ねたセキュリティ対策を自社のみで行うことは難しいと考えていたという。さまざまな取引のある北陸通信ネットワーク(HTNet)から紹介をうけBBSecとの取引を開始したが、実際一緒に作業をしてみて、セキュリティに対する専門的知識の豊富さと大手にはできない迅速な対応に満足しているという。また、かなり早い段階からクラウドサービスを積極的に利用する同社に対して、クラウド特有のリスクアセスメントを実施するなどの顧客に寄り添うBBSecの姿勢も、高い評価につながっている。

福井から世界へと日本の技術を展開する日華化学。その高い技術力と同様に、柔軟性のあるセキュリティ対策への取り組みは、海外進出を推し進める企業にとって、良き指標となるだろう。

<会社情報>
会社名: 日華化学株式会社
URL: https://www.nicca.co.jp/
日華化学株式会社は、界面活性剤・高分子を中心とする界面科学と毛髪科学を基盤とし、繊維加工をはじめ、金属加工、紙・パルプ、クリーニングの各業界向け薬剤、また化粧品などをさまざまな分野のお客様に提供している。同社が、創業以来大切にしているものの一つに、「製品を売るにあらずして技術を売る」という信条があり、その信条の通り、1941年の創立以来培った技術・ノウハウを活かしお客様と共に課題を解決し、また海外においても8つの国と地域における12拠点を通じ、世界のお客様との対話を大切にしながら、ニーズに迅速かつ確実に対応している。

※ 記載の情報は2019年7月現在のものです。
※ 文中の社名、製品名は各社の商標または登録商標です。