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株主通信 STOCKHOLDER COMMUNITY2025年6月期

株主・投資家の皆様とのつながりを
大切に、
当社についてより深く理解して
いただくための情報をお届けします。

TOP INTERVIEWトップインタビュー

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代表取締役社長
滝澤 貴志

設立以来、当社は企業のITセキュリティの包括的な支援サービスを展開。
サイバー攻撃対策が国家的な課題となっている近年は、
フルアウトソーシング型の能動的サイバー防御サービスを提供して
事業規模を拡大しています。
2026年6月期の戦略、今後のビジョンについて、
代表取締役社長の滝澤貴志がお話しいたします。

日経225企業の約4割をカバー
絶対的信頼性のある総合セキュリティサービスが最大の強み

日経225企業の約4割をカバー絶対的信頼性のある総合セキュリティサービスが最大の強み

当社の主力事業は、情報漏えいリスクから企業を守るセキュリティサービスで、企業のセキュリティニーズの可視化と課題の抽出・解決支援を行う「セキュリティ監査・コンサルティング」。ITシステムに潜むリスクを発見し改善策を提示する「脆弱性診断」。高度な技術を駆使してサイバー攻撃を検知し、的確な対策を実行する「情報漏えいIT対策」。この3つのサービスをワンストップで提供しています。メインターゲットは、売上高100億~3,000億円規模の大手・準大手企業で、取引実績は約2,500社。日経225企業の約4割をカバーしています。サイバー攻撃などの脅威を24時間365日監視・検知・分析し、対策を行う部門・組織(SOC※1)を確立し、高度な技術力と情報収集力を保有していることが最大の強みで、インシデントに対して迅速・的確な対策を実施し、そこで得た最新の知見を生かして、お客様の情報資産をより強固にすることが可能です。

この体制を維持・強化するには有能な人材の獲得と育成が不可欠ですが、現在のところ、当社においてエンジニアの採用はほぼ計画どおりに進んでいます。その理由として、エンジニアのニーズの多様化や働き方の変化に順応できていることが挙げられます。カバーする範囲が拡がって業務は細分化していますので、他社で経験を積んだエンジニアでもその能力を生かせる業務、スキルアップを目指せる業務が必ず見つかります。また、スキルの幅を広げられる機会があるため新卒・未経験者のミスマッチもほとんどありません。セキュリティサービスには攻めと守りの両面がありますのでエンジニアの性格にあった仕事を選択できるという魅力もあります。

エンジニア育成に関しても、当社にはセキュリティエンジニアという概念がなかった時代から蓄積してきた育成ノウハウがあります。PCI関連をはじめ資格取得の支援制度も充実しており、最高難度と言われるフォレンジックエンジニア※2を目指せる環境が整っていることも、求職者に対する大きなアピールポイントになっています。

  • ※1SOC/「Security Operation Center(セキュリティ・オペレーション・センター)」
  • ※2フォレンジックエンジニア/サイバー攻撃や情報漏洩、社内不正といったインシデント発生時、コンピュータなどの電子機器に残された記録を収集・保全し、分析することで事実解明を行う専門家

2025年6月期のビジネス改革という厳しい時期を経て
想定していなかった新たなニーズを発掘、受注残は過去最高水準を積み上げる

2025年6月期を振り返りますと、コンサルを起点とした定常収益(月額売上)が拡大したものの、中長期的な営業戦略とビジネス改革を見据え、コンサルティングを起点にお客様のセキュリティ対策を支援するための営業体制への転換を急いだことが、前期比で減収・減益となった理由です。当社はこれまで、セキュリティサービスを3つに区分し、それぞれに営業部門を設けて提案活動を行ってきましたが、この体制ではお客様のセキュリティレベルを総合的に高めるのが難しくなっていました。そこで営業体制の改革に取り組んだところ、当社のなかで課題・問題が顕在化しました。急激な方向転換によって営業体制は混乱し、従来型の診断ビジネスにも大きな影響が出ました。

ただ、そのなかで新たな発見もありました。総合的なソリューションの提案に舵を切ったことで、より高度で専門的なセキュリティ運用サービスのニーズが高まり、それに応える形で新たなサービス『G-MDR®※3をリリースできたのです。これは期初の段階ではまったく想定していなかったこと。すでに多くのお客様から発注をいただいておりますので、営業体制の変革は成長するために必要な取り組みだったと受け止めています。また、ニーズをとらえた提案で受注残は29億円超の過去最高水準を積み上げています(25年6月期)。

  • ※3『G-MDR®』/BBSecが2025年2月にリリースした、サイバーアタックに対応するためのアウトソーシング型セキュリティサービス。企業がすでに導入している各種セキュリティ対策を統合的に監視・相関分析することで、単体の監視では検出が困難だった脅威を早期に検知し、迅速な対応を可能にする
    (G-MDR®は株式会社ブロードバンドセキュリティの登録商標です。商標登録 第6957648号)

セキュリティニーズの多様化にあわせ
資本業務提携を通じて新規顧客獲得を加速、業績拡大を図る

セキュリティニーズの多様化にあわせ資本業務提携を通じて新規顧客獲得を加速、業績拡大を図る

2026年6月期は売上71億円(前期比+16.3%)、営業利益7億円(前期比+171.4%)、経常利益6億7,000万円(前期比+166.7%)、当期純利益4億6,000万円(前期比+222.3%)を計画しています。私たちの課題は新規顧客開拓。そのため業績回復に向けては、業務提携および協業の加速・強化を軸に進めてまいります。グローバルセキュリティエキスパート社(以下:GSX)とは診断のリソース補完と教育商材によるサービスの拡充。GSXの体系化された教育商材によって当社の取引先のセキュリティ意識を高めビジネスチャンスを拡大します。IDホールディングス社(以下:ID)はこれまでITインフラおよびシステム運用が中心でしたが、今期よりセキュリティの運用もスタートします。具体的には当社のSOCとIDグループのクラウドマネー ジドセンター監視業務を一体として提案するクラウド×セキュリティサービス、DevSecOps※4観点でIDグループの開発・DX提案と当社のシフトレフトコンサル・ソースコード診断を組み合わせて提供するDX×セキュリティサービス、さらにはIDグループのAI技術を用いセキュリティ新サービスの創出(AI×セキュリティ)や先端技術へのセキュリティの共同開発にも取り組んでいます。兼松エレクトロニクス社(以下:KEL)とは、能動的サイバー防御のセキュリティ運用サービスを開始。KELの得意分野である製造業の現場に当社の『G-MDR®』を組み込んでいただく取り組みです。そして大日本印刷社(以下:DNP)とは工場の生産設備や発電所の制御システムなどのオペレーショナルテクノロジーシステム(OTシステム)をサイバー攻撃から守るための対策に取り組んでいます。DNPとは10年以上前からクレジットカードセキュリティの分野で提携関係にあり、今後は製造業へのOT SOC※5の展開や工場セキュリティのコンサルティングを強化し、新たな顧客獲得と収益拡大を目指します。

  • ※4ソフトウェア開発(Dev)と運用(Ops)のプロセスに、セキュリティ(Sec)を組み込む手法
  • ※5OT SOC /「Operational Technology Security Operation Center」。工場や社会インフラなどのOT(制御システム)環境を専門技術者が24時間365日監視し、サイバー攻撃や脅威の兆候を早期に発見・対処するセキュリティサービス

プレシンギュラリティに向けてセキュリティ業界は変革が続く
BBSecのセキュリティがスタンダードとして認知されるサービス開発を目指す

サイバーセキュリティ市場は今後、IT環境の複雑化、サイバー攻撃の巧妙化、ガイドラインの策定などを背景に、サービスの細分化が進行します。かつてIT市場が拡大する過程でSIerの業務が枝分かれしたように、セキュリティ業界も今後ますます変革を続けていくと考えられます。それを踏まえて当社は今後、業界特化型セキュリティサービスの開発を強化します。特に注力したいのは金融業界と製造業界です。金融業界では、すでに地銀を含む金融機関のSwift※6監査(外部評価)を支援するサービスを提供。PFI※7の認定を受けたフォレンジック調査機関として、クレジットカード情報漏えい事故の調査サービスも提供しています。また、製造業界では2025年2月より、国際的な自動車業界の情報セキュリティ標準であるTISAX※8に準拠するためのコンサルティングサービスの提供を開始しています。これらの実績と、設立以来、「便利で安全なネットワーク社会を創造する」を理念として独自のサービス開発に注力して蓄積してきたノウハウを生かし、業界のスタンダードとして認知されるセキュリティサービスの開発を目指します。

  • ※6Swift/「国際銀行間通信協会(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)」。銀行間の国際的な金融取引の事務処理を円滑にするための安全な通信ネットワーク
  • ※7PFI/「PCI Forensic Investigator」。国際カードブランド5社が共同で設立した、クレジットカードセキュリティに関する団体PCI SSCにより認定されたカード情報漏えい事故を取り扱う調査機関
  • ※8TISAX/「Trusted Information Security Assessment Exchange」。ENX協会(欧州の自動車メーカー、サプライヤ、および4つの全国自動車協会からなる組織)が定める、国際的な自動車業界の情報セキュリティ標準

継続的な成長基調への回復を実現し
利益還元の充実と企業価値の向上に取り組みます

2019年6月の上場以降、当社の財務基盤は継続的に強化されておりますので、2026年6月期は年間配当を1円増配し、1株あたり16円(中間配当・期末配当をそれぞれ8円)といたします。
前期の業績につきましては、株主の皆様にはご心配をおかけいたしましたが、我々は業績が好調なときもそうでないときも、チャレンジ精神を忘れずに歩んでまいりました。また、今期は、GSX、ID、KEL、DNPとの資本業務提携を強化。これらの改革によって継続的な成長基調への回復を実現し、さらなる利益還元の充実と企業価値の向上に取り組んでまいりますので、今後ともご支援のほど、よろしくお願いいたします。

TOPICSBBSecのポジショニングと事業内容

ポジショニング

高成長領域、セキュリティ強化に積極的
な大手・準大手企業がターゲット

セキュリティ企業の中でも市場成長率の高い
セキュリティサービス領域をカバー。
かつ顧客層はセキュリティ投資額の
大きい大手・準大手企業

高成長領域、セキュリティ強化に積極的な大手・中計企業がターゲット高成長領域、セキュリティ強化に積極的な大手・中計企業がターゲット

事業内容

顧客のセキュリティニーズを満たす
分析から運用まで総合的なセキュリティサービスを
ワンストップで提供

顧客のセキュリティニーズを満たす分析から運用まで総合的なセキュリティサービスをワンストップで提供顧客のセキュリティニーズを満たす分析から運用まで総合的なセキュリティサービスをワンストップで提供